住宅ローン:フルローンについて

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すまいラボ

住宅ローンの借り方として、「頭金ゼロ円」ですべての費用をローンで済ませる方法がフルローンです。フルローンでの住宅取得を検討している方は一度ご覧ください。ネガティブな印象もあるかもしれませんが、場合によっては有利に借り入れることができる場合もあります。

 コロナ禍の出口もあまり見えない中でも住宅産業は今のところあまり大きな打撃を受けていないようにも見えます。リモートワークの普及で都心から郊外への移住が進んだり、在宅勤務に対応するためのリフォームなどが好調のようです。

 一方で、すでに住宅ローンを返済中の方には収入の減少によって支払いが立ち行かなくなってしまったという話も聞きます。多くの場合、収入に対して限度額いっぱいまで借入てしまったため、少しでも家計が下向くと返済ができなくなってしまうケースです。ニュースによれば約20人に1人が返済が滞ってしまっているとのことです。割合としてはあまり大きくないとも考えられますが、住宅取得時の資金計画の建て方によっては誰もが同じ状態になり得るということです。

フルローンの是非

 一昔前は住宅購入となれば購入費用の2〜3割の自己資金が必要でした。特に諸経費と呼ばれる住宅取得の間接的な費用については自己資金から賄うことが一般的でした。しかし、近年はそういった諸費用も借入に含めることができる商品も各銀行が取り扱っており、自己資金ゼロでの住宅取得もそこまで珍しいものでもなくなりました。(とはいえ、一定の自己資金を入れた方が金利などで有利になるケースもあります。)

 このフルローンと呼ばれる状態が良いか、悪いかと言われれば一概に正解はないのですが、あえてフルローンが「向いている・向いていない」特徴を紹介します。

向いている人

 フルローンで借りても比較的問題になりにくいのが、自己資金がしっかり用意できている方です。自己資金があるのにフルローン?と思われるかもしれませんが、住宅取得時に家具家電を一新したり、車を購入したりする方が多いです。また、住宅取得の理由がお子様の進学家族が増えたといった将来的にコストが増大する要素の場合には手元にまとまった資金があった方が安全です。出産や進学はなにかと出費が嵩むものです。一方で住宅ローン金利は低水準が続いていますので、返済額を抑えようと借入額を下げたとしてもあまり大きなメリットとは言えません。実際、100万円を金利0.6%(期間35年、ボーナス払いなし)で借りると月の返済額は2640円ですから、そこまで負担は大きくありません。実際のところ、フルローンにすると金利がすこし高くなってしまうことがほとんどなので、仮に1000万円ほど自己資金がある方は3〜500万円程度を頭金として入れて金利を低く抑えて、残りは手元資金として残しておくのが理想ではないでしょうか。

向いていない人

 フルローンで失敗するパターンとして一番多く見てきたのが、もとから自己資金なしで購入するケースです。収入から借入が可能と判断されても、自己資金がないということは「貯められない」家計状況ということが考えられます。「今の家賃と同じ支払いで」という営業トークで購入した方も該当するのですが、住宅取得には賃貸と違って資産に対する税金がかかってきます。確かにローンの返済額は家賃と同じかもしれませんが、土地建物の固定資産税は別会計です。平均して1万円/月程度の出費になるでしょう。(住宅ローン控除等の減税もありますが期間は限られています。)また、自己資金がない場合には、借入金利も高くなり月々の返済も上がってしまいます。突発的な不況やコロナウイルス感染症などの予期せぬ環境の変化で収入の減少が起きた時、真っ先に支払いが止まってしまうのはこういったケースです。「借りれます≠返せます」ということを肝に銘じて、安易なセールストークに惑わされないようにしましょう。

住宅ローンで失敗しないために

 住宅といえど一つの売り物です。住宅会社は「建てて欲しい」、銀行も住宅ローンは「借りて欲しい」という目的があります。これ自体は決して悪ではありません。誰もがそうやってモノやサービスを販売した利益によって生活していますし、その利益がまた別の誰かのモノやサービスへと移っていくことで経済は回っています。
 問題なのは、ごく一部に「売れれば良い」と考えてしまう販売者、提供者がいるということです。10円のガムなら、騙されたと思って買っても損害は大きくありませんが、住宅は一般的な家庭でも購入することができるモノとしては最も高額です。それ故に住宅業界はトラブルの種類も量もとても多い業界です。住宅ローンはそのほんの一部かもしれませんが、一度借りれば返済が35年続くのです。住宅ローン控除などの補助制度や多額の値引きなど、冷静な判断がどんどんできなくなっていく中で、「本当に今借りるべきなのか?」と立ち止まって考えてみることをお勧めします。

買わないも選択肢

 おおたかの森住まい研究所では、家づくりの入り口である資金計画に合わせて住宅ローンのシミュレーションを最大4パターン提供させて頂いております。①フラット35などの固定金利②変動金利0.6%(5年おきに0.25%上昇)③借入金額を下げたパターン(金利は②の設定)④借入金額を増やしたパターン(金利は②の設定)、ほかにもご状況に合わせて柔軟に対応しています。一般的な借入パターンというのはインターネットでも算出可能ですが、個々人の状況に対応できるサービスは今のところありません。是非、家づくりの入り口で使えるお金、使わない方がいいお金を整理して準備を整えましょう。

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