家の隙間は少ない方が絶対的に良い

住まい便り

 C値という言葉をご存知でしょうか。建物に存在する隙間面積を、延べ床面積で除した数値のことで、建物が有する気密性能を表しています。数値が少ないほど気密性能が高いことを示します。

気密測定検査によって計測

 建物の工事が進み、内部と外部が遮断された時期に行います。建物内部から負圧をかけて、「どれくらい外気を取り込んだか」と「室内外の気圧差」から建物にある隙間の面積を測定します。室内外が約9.8Paの気圧差で流入する空気量を建物面積で割ることで算出しているようです。室内に計測用の大きなファンを設置するので検査自体がやや手間のかかる手法となるため、最近は検査をしていないなんて声を聞いたりしますが、隙間は目に見えないので検査でしか発見できません。契約前にカタログ等でC値を謳っている場合には必ず試験をしてもらいましょう。(契約時に確認しないとあとで検査費用が請求されてしまいますのでご注意ください。)どんなに良い断熱材をたくさん使っても、隙間が多ければ意味がありません。

C値の目安

 高気密住宅やエコハウスなど高断熱系の住宅であれば0.5以下が望ましいです。延床面積100㎡でC値0.5c㎡/㎡があるとすれば、隙間は家全体でも名刺1枚程度(50㎠)になります。同条件で比較していくと以下のようになります。

C値 1.0 =  100㎠(名刺2枚程度)
C値 1.5 =  150㎠(ハガキ1枚程度)
C値 2.0 =  200㎠(名刺4枚程度)
C値 5.0 =  500㎠(B5用紙1枚程度)

換気システムを第1種(機械換気)にするか、第3種(自然給気・機械排気)にするかによって変わりますが、安価な第3種換気を前提にするとC値1.0でも50%程度は隙間からの給気となる実験データも過去にあり、エアコン等の空調設備の効きに影響がるように思えます。

省エネ法とC値

 C値の値が低い=気密性能の高い家では、空調効率や除湿・加湿効率がよくなったりとメリットばかりですが、平成21年度の改正省エネ法でC値は目標値から削除されてしまいました。
 邪推ではありますが、これは業界的な圧力?が働いたのかなと感じています。鉄骨系を中心に大手ハウスメーカーの気密性が低いことは経験上明らかであり、実際にC値を公表していないメーカーも多いです。当時から高気密を謳えるレベルの気密性を確保しているのは一条工務店さんだけでしょう。実際現場の声を聞いていても工期がきつくて気密なんかやってられないなんて話しもあります。業界全体として、手間と工期がかかる気密工事は嫌われる傾向にあり、省エネ性能はC値を無視して空調や温冷房設備の性能と断熱性能だけで評価されるようになってしまったのです。少なくとも国内の大手メーカー系で気密検査をお願いして良い顔をしてくれるところはほとんどないでしょう。

気密性は「なあなあ」にしない

 過去にご相談に来られた方にもメーカーの担当者から「C値という考え方はもう存在しません」とキッパリ言われた方がいました。確かに省エネ法の中ではC値は参考値でしかありません。でも基準がないから家の隙間を気にしなくていいとはなりませんよね。穴の開いたバケツがあるけど、蛇口から水がいっぱい出れば量は減らない(水を冬場のエアコンから出る暖気に例えて)状態を省エネとは言わないと思います。また、シックハウス症候群を例に、隙間があることを悪としない営業トークも存在しますが、隙間があるから換気システムが十分に働かないという根本的な欠陥が裏側にいいます。(換気に関する過去記事はこちら

 気密性能はあとから簡単に改善できるものではありません。壁紙の下の石膏ボードの裏側まで確認しないと隙間は見つけられません。どうかしっかりとした根拠をもってご自宅を快適な環境にして欲しいと願います。

 

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