予算オーバーは私のせい?

相談事例

 カタログやモデルハウスで気に入った建材や設備を選んでいくととんでもない金額になっていた…。この予算オーバーという状態は経験上9割のお施主様が経験します。また、建材のみならず建物自体の構成によってもコストは大きく変わっていきます。この予算オーバーについて起きたトラブルについて紹介します。

 Kさんは大手メーカーで契約を済ませ、着工に向けて建物の打ち合わせを進めていました。契約時には2200万円だった建物の見積もりが、直前になって2700万円まで上がっており、このままでは予算オーバーです。そこまで楽しかった打ち合わせが一変して暗いムードに。確かにKさんはキッチンなどの設備をグレードアップしており、予算が上がっている認識はあったものの約500万円も上がる理由がわかりませんでした。そこで設計担当者に打ち合わせ時に内訳の説明を求めました。

金額コントロールの責任

 「それはKさまが選んだものなので仕方ないです」と設計担当者Bさん。しかしそれ以外にも細かく見ていくとフローリングの施工面積や、諸経費などが契約時から上がっている模様。しかしKさんがそれを伝えても「私の方ではわかりません。担当のものに確認します。」の一点張りで約1ヶ月経っても回答はありませんでした。後から発覚したのが、この施工面積のブレは積算の拾い漏れ。また、諸経費は計算方法が本体工事金額に対して5%の設定だったため、仕様をあげれば工事金額が上がり、諸経費もそれに伴って上がってしまう仕組みでした。これらの説明をKさんは受けていないようでした。

当事者意識の重要さ

 Kさんが許せなかったのは予算がオーバーしたことではありませんでした。予算オーバーに対して一切コントロールや改善案を提示せず「仕方ない」を繰り返すBさんの態度に憤りを感じていました。
お施主様にとって住宅は数千万円の大きな買い物です。これから一生をかけて支払う住宅ローン、メンテナンス費用、各種税金の支払いなど生活がガラッと変わるほど人生の大きなイベントにも関わらず、自分には関係ないといった様子のBさんに不審を覚えたKさんは、ついに解約を申し入れました。

あっさり承諾も…

解約を申しれると、すぐにBさんの上司で責任者のCさんから連絡が来ました。Cさんは解約について承諾した旨、そして違約金について説明をしました。しかしKさんはCさんの態度も気になりました。謝罪の言葉は1行程度なのに、違約金の支払いについては十数行に渡ってみっちり書いてきたのです。Kさんはこの時点で、自分がただの顧客の一人にすぎないと感じたそうです。数千万円を支払うのにこのような扱いを受けるのは妥当なのかと弊社にご相談に来られました。

金額コントロールを含めて「設計」

 一般的に設計者は専門家でお施主様は素人です。また、最終的な意思決定、代金を支払うのはお施主様です。「自分が決めるんだ」という意識はとても重要ですし、そのお施主様をフォローしていくのが設計者の重要な役割ではないでしょうか。今回のように「他人事」はもちろんNGですが、数千万円の重みを同じように感じてくれる設計者に仕事を依頼するのが吉です。予算のコントロールも含めて設計で提案していく、この姿勢が大事じゃないかなと思うばかりです。

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